▶︎ プログラム


認定資格研修会・ワークショップ 7月27日(土)

認定資格研修会
  (CPCS-1-B)

講師:有住洋子(仙台市児童相談所)
   小澤久美子
  (東京都健康長寿医療センター研究所)


 CPCS(Certificate of Proficiency in the Rorschach Comprehensive System)のレベル1(基礎:施行法とコーディング)は,包括システムについて,①適正な実施,②正確な記録,③コーディングの基礎,④構造一覧表の作成ができる者を,学会として認定することを目的としています。レベル1の取得には単位A,B,CおよびDの4研修会を受講し,単位B研修会(コーディングの基礎)で実施される理解度確認試験(10問について選択肢から回答)に合格する必要があります。また,単位C及びD研修会の受講前に単位B研修会を受講しておく必要があるため,CPCSの取得を目指す方は今回の受講をお勧めします。CPCSの詳細は,学会ホームページをご覧ください。
(臨床心理士資格更新ポイントの対象研修会です)

ワークショップA(初級)
ロールシャッハ・テストの解釈
~支援に役立つ情報を組み立てる~

講師:市川京子
  (一橋大学保健センター/中央大学)
   野村 邦子(聖母病院)


ロールシャッハ・テストは,臨床のプロセスと重なります。すなわち,その人の言葉に沿って体験を聞き,まとまりと意味をもった情報として理解に役立てる,という一連の作業です。
学びたての頃は,コーディングして本を参考に解釈を組み立てたものの,どう支援に役立てるかイメージがつかみにくいこともあるでしょう。このワークショップでは,ロールシャッハがどのようにその人らしさを表現し,支援についてどんなヒントを与えてくれるかについて,事例を通してお伝えしたいと考えています。

(学会認定資格CPCSレベル2‐B研修会ポイント、臨床心理士資格更新ポイントの対象研修会です)

ワークショップB(中級)
共感的なフィードバックに向けて

講師:野田 昌道(北海道医療大学)


第26回大会で「共感的なレポート」をテーマにしたワークショップを行いましたが,このワークショップはその姉妹版になります。前回は短時間(2時間半)のワークショップだったこともあり,もっぱらレポート作成に焦点を当てましたが,今回は解釈からフィードバックまでのプロセスをもう少し丁寧に検討していきます。
スティーブン・フィン博士は心理テストを「共感の拡大鏡」と呼びました。クライエント理解において,その拡大鏡がたいへん有益であるのは言うまでもないでしょう。一方,それとは別にクライエント用の拡大鏡をカスタムメイドで用意できると,フィードバックにおいてより共感を伝えやすくなります。クライエントもその拡大鏡を通して,自分がどのような物語を生きていて,その物語のどこをどう変えるとより適応的な人生になりそうなのか理解しやすくなります。さて,カスタムメイドの拡大鏡って何でしょう? それは,本ワークショップで皆さんと一緒に検討したいと思います。

(学会認定資格CPCSレベル2‐B研修会ポイント、臨床心理士資格更新ポイントの対象研修会です)



本大会 7月28日(日) 9:00~16:40

○ 研究発表

口頭発表 >> 9:00〜11:00

ポスター発表 >> 12:10〜13:10

※発表をご希望の方は研究発表のお申し込みページよりお申し込みください。

特別講演 11:10~12:10

包括システムの未来 ~JRSCのこれまでの30年とCS-Rと共に歩むこれから~

講 師 中村 紀子(中村心理療法研究室/JRSC顧問)


 JRSC設立から30年となる節目の年に,トップランナーとしてJRSCを牽引してこられた中村紀子先生にご講演いただきます。包括システムの過去と未来,そして包括システム改訂版(CS-R)開発の経緯やその意義,今後の発展についてお話しいただきます。

事例検討

借金と転職を繰り返す気分障害の女性
~ロールシャッハ・テスト、WAIS-Ⅳ、MMPI-3を用いたリワークアセスメント

司 会:村松 朋子(花園大学)
事例検討:柴田俊祐(川谷医院)
     星野 修一(大阪・京都こころの発達研究所 葉 /谷町こどもセンター)

 精神科病院併設のリワークでのアセスメントケースを取り上げます。心理アセスメントバッテリーの三種の神器とも言われるロールシャッハ・テスト,WAIS,MMPIを用いて,クライエントの人生にかがやきを取り戻すための心理支援について検討します。事例検討を担当する先生のうちおひとりには,ロールシャッハ・テストとWAIS-Ⅳ,もうおひとりにはロールシャッハ・テストとMMPI-3という組み合わせで,事例を読み込んでいただき,ロールシャッハ・テストの結果を生かす心理アセスメントについて,ご参加の先生方とともに検討したいと思います。

▶︎ 特別講演講師紹介


中村紀子先生(中村心理療法研究室/JRSC顧問)
上智大学大学院総合人間学科博士(心理学)。臨床心理士、公認心理師。
中村心理療法研究室、及びExner Japan Associates(1988-),治療的アセスメント・アジアパシフィックセンター(2014-)開業。 包括システムによる日本ロールシャッハ学会(JRSC)顧問、国際ロールシャッハ及び投映法学会(ISR)前会長、Therapeutic Assessment Institute(TAI)理事、国際包括システムロールシャッハ学会(CSIRA)理事、International Rorschach Institute (IRI)理事を務める。
主要著訳書に、『ロールシャッハ・テスト講義 I― 基礎篇』(金剛出版[2010]),『ロールシャッハ・テス ト講義 II― 解釈篇』(金剛出版[2016])、ジョン・エクスナー『ロールシャッハ・テスト― 包括システ ムの基礎と解釈の原理』(共訳・金剛出版[2009])、ジョン・エクスナー『ロールシャッハ・テスト ワークブッ ク[第 5 版]』(共訳・金剛出版[2003])、スティーブン・E・フィン『治療的アセスメントの理論と実践― クライアントの靴を履いて』(共訳・金剛出版[2014])、スティーブン・E・フィン『協働的/治療的アセスメント・ケースブック』(共訳・金剛出版[2023])がある。